AWSのLightsailをとにかく安く使うなら、最小構成の1スタンスでの運用になります。
しかし、1つのインスタンスには、基本は1つのWordPressでの構成になります。もし2つ以上のWordPressを1つのインスタンスで運用したいと考るなら、「WordPress Multisite」を選択して1つのWordPress上で複数のドメインを扱う必要があります。
この部分が、Xサーバーやヘテムル、mixhostといったレンタルサーバーを使っていた人には馴染みづらいところです。Lightsailは初心者が使いやすいといっても、他では当たり前にできることが知識がないとできない部分が多く存在します。
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単体Lightsailインスタンスで独自ドメインを複数運用「WordPress MU Domain Mapping」
複数ブログを運用する際に、最初に設定したドメイン(プライマリードメイン)のサブドメインで展開していくなら、今回の情報は特に必要ありません。
例)プライマリー → example.com
別のブログ1→ sub.example.com
別のブログ2→ food.example.com
しかし、それぞれに独自ドメインを設定したいのならばプラグインの「WordPress MU Domain Mapping」を導入する必要があります。
実際に方法はいくつかありますが、公式が薦める方法がこのプラグインを使った方法です。
Amazon Lightsail の WordPress Multisite インスタンスにブログをドメインとして追加する|Amazon Lightsail
なお、ここではドメインのネームサーバーなどは設定済みとして話を進めています。そのあたりは下記を参考に。
https://lightsail.info/wp-single-to-muliti/
公式が勧めているプラグインだが…
ネット上にある非公式のLightsailの使いかた(今読んでいるこのブログなど)は、いずれ内容も古くなります。色々検索して探す前に、公式のドキュメントを確認してください。実は定期的に更新されつつ、情報も多く、そしてわかりやすいです。
さて、公式もオススメしている「WordPress MU Domain Mapping」ですが、最終更新からかなり時間が経過しているので、色々と不安は残ります。そのあたりは、自己責任だと考えてください。
少しでも不安を取り除きたいならドメインごとにインスタンスを契約したほうが良いでしょう。
Lightsailに立ち上げるぐらいなので、アクセスもそこまで多いブログではないと思いますが、大切なブログであるなら個別運用するほうが正解だと思います。
「WordPress MU Domain Mapping」については、AWS公式が勧めている以上、あまり不安はありませんが、安く抑えたいが最優先でないなら、ドメインごとにインスタンスを作成しましょう。そのほうが設定も楽です。
「サイトネットワーク管理」でプラグイン有効化
設定については
「参加サイト」→「サイトネットワーク管理」→「プラグイン」
で設定します。WordPress公式のプラグイン検索で「WordPress MU Domain Mapping」と入れて検索して、インストール→有効化します。
このまま使えればよいのですが、ここから若干テクニックが必要となります。これが、このプラグインのつまづきポイントです。
sunrise.phpをコピペする
「WordPress MU Domain Mapping」を有効にすると、サイトネットワークの管理画面の「設定」に、新たに「Domain Mapping」の項目が出現しますので、クリック。
すると下記のようなメッセージが表示されます。
Please copy sunrise.php to /wp-content/sunrise.php and ensure the SUNRISE definition is in /wp-config.php
英語で書いてあるとおりですが、最初にFTP接続して以下アドレスにある「sunrise.php」をダウンロード。
home/bitnami/apps/wp-content/plugins/wordpress-mu-domain-mapping/sunrise.php
ダウンロードしたら、そのまま下記アドレス「wp-content」のフォルダにアップロード
home/bitnami/apps/wp-content/sunrise.php
wp-configに追記修正
さきほどのプラグインの指示の後半にあった「ensure the SUNRISE definition is in /wp-config.php」の仰せの通り、wp-configに修正を加えます。
大切なファイルなので、FTPでダウンロードして、コピーしてバックアップをとった上で書き換えをして、アップロードしましょう。
define('BLOG_ID_CURRENT_SITE', 1);
define( 'SUNRISE', 'on' ); ←ここに追記
define('FS_METHOD', 'direct');
追記するのは「define( ‘SUNRISE’, ‘on’ );」のみです。追記する行は上記を参考に。
これでOKです。プラグインが使えるようになります。
挙動がおかしかったら、Lightsailの管理画面で、対象インスタンスの設定で再起動をかけてください。」
常時SSL化を設定する
sunriseの記述を行うとようやくプラグインが使えるようになります。サイトネットワークの管理画面の「設定」→「Domain Mapping」へ。
2番目にある「Permanent redirect」にチェックを入れて、http→httpsリダイレクトを有効にします。これで常時SSL化になります。
新規サイトを追加
続いて追加するサイトを設定しましょう。すでに設定してある場合はこの項目は飛ばしてOKです。
「サイトネットワーク管理」→「サイト」から「新規追加」でサイトを追加します。
○サイトアドレス
「○○○.example.com」といった、サブドメインの形で作成し、あとから独自ドメインを紐付ける形になりまs.
サブドメインは自分がわかればOKです。上記の例は最終的に設定したい独自ドメインが「wakaru.domain」なので、わかりやすいように「wakaru」をサブドメインにして、サイトアドレスを設定しています。
○サイトのタイトル
移転するブログのタイトルを入れておけばOKです。
○サイトの言語
特に変更する必要ありません。
○管理者メールアドレス
移転するブログのメインの管理者と同じアドレスにするほうが効率が良いです。ここで指定したアドレスのユーザーが特権管理者になります。
必要項目を記入したら「サイトを追加」で新規サイトを追加してください。
追加したらサイトネットワークの管理画面の「サイト」→「すべてのサイト」の一覧に追加されていると思います。URLをマウスオーバーすると、URLが表示されます。その最後に記された番号がサイトIDです。後ほど必要になるのでメモしてください。
独自ドメインを紐付ける
追加したサイトを、独自ドメインと紐付ける=mappingしていきます。ネットワーク設定の管理画面で「設定」→「Domains」へ移動。
Site IDは、先ほどしらべた番号を入力。
Domainには、設定したい独自ドメイン「○○○.com」
Primaryはチェックした状態でOKです。
上位入力したら「save」で保存してください。
これで紐付けはOKです。独自ドメインが使えるようになります。常時SSL化(https)については下記を参考にしてください。